「隣の三尺」ってなに?~先人の知恵から学ぶ、人間関係を良好にする秘訣~

先人の教え

 

隣の三尺とは、家の前の掃除や雪かきをするときには、隣の家の前も三尺余分に掃除をしなさい、という教えのことです。

一尺=約30.3cm
三尺は約1mほど。

シュウ先生
シュウ先生

「隣の三尺」という言葉、聞いたことあるかな?

生まれてこのかた、1回も聞いたことないです。

マナブくん
マナブくん

ははは。あんまり使わないよね。
簡単に言えば「小さな親切」が大切だってことだね。

そんなの常識じゃないですか先生。

そうだね。だけどこれが中々難しいんだ。
大事なのは「三尺」というワードだよ。

気遣いの大切さ

大雪が降った次の日のことを想像してみてください。
家の前の雪かきをしようと外に出ると、隣の家は既に雪かきが済んだ後でした。

雪かきは、キッチリ測ったかのように自分のエリアだけされていました。皆さんはどう思うでしょうか。

もちろん、悪いことをしているわけでは全くないのですが、あまりにきっちりと自分のエリアだけされると、何となく、良い気持ちにはなりませんよね。しかも多くの場合、家と家の間には、どちらのとも言い難いエリアがあります。もしお互いが自分のエリアだけ雪かきをしようとすると、ちょうど境目には雪が溜まってしまいます。

これは、お互いにとってデメリットです。

 

人間関係において、互いに気遣い合うことは大切だよね。

先生、じゃあ僕は隣の家の分まで雪かきしてあげます!

マナブくん。実はこの言葉の最も重要な点は、そこにあるんだ。
親切なことをしてあげようとすると、やりすぎてしまうことがある。それが、相手にとって負担になってしまう場合があるんだよ。

「三尺」の意味

先ほどと同様、雪が降った次の日のことを想像してみてください。
雪かきをしようと家の外に出ると、今度は誰かが自分の家の前を全てやってくれていたらどうでしょうか。

そのときは嬉しいかもしれませんが、「次に雪が降ったときには、自分が相手の分までやらなければいけないかなぁ」という罪悪感も湧いてきませんか?

このように、親切心というのはやりすぎると相手にとって負担に感じてしまう場合もあります。今回の雪かきの例のように、親切心で何度も相手の分の雪かきをしているうちに、どっちが多く雪かきをしたのかわからなくなってしまうかもしれません。

そうすると、場合によっては「自分の方が相手より多く雪かきをしているんじゃないか?」というような比較の思考に陥り、逆に人間関係が悪くなってしまうかもしれません。

 

ええ、そんなぁ。
親切にしてるのに、良くないんですか?

親切にすることが悪いってわけじゃない。ただ、「こんなに親切にしているのに!」って見返りを求めてしまうことってあるよね。でも、よくよく考えてみてほしい。こっちが一方的に親切にしているだけなのに、見返りを求めるってなんだか図々しいと思わない?

うーん、確かに。
そう言われると、ぐうのおとも出ないっす。

それを言うなら「ぐうのね」だね(笑)
親切にすることは、もちろん大事。だけど、相手のために頑張りすぎて見返りを求めてしまうのは、本末転倒だよね。相手が親切心を負担に感じてしまうのも、何のために親切にしているのか分からないよね。そんなことにならないために、「三尺分の気遣い」が大事なんだ。

三尺分の気遣い

自分は親切心で行った行為でも、やりすぎると相手は「お返しをしなきゃ」と思うものです。また、親切をした相手に見返りを求めてしまっているのなら、それは健全な親切心というのか、いささか疑問です。

だからこそ、三尺分余計に掃除をするくらいが丁度良いのです。

自分が見返りを求めない程度。
相手の負担にならない程度。

三尺分の気遣いが、人間関係をうまくやる秘訣ということです。

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社会人5年目。 SE⇒フリーライター&マーケティングリサーチ⇒コンテンツディレクター フリーライターとして品川経済新聞で2年ほど勤務。現在は年間100件ほど経営者へのインタビューを実施。 「もっと面白く、分かりやすく物事を学べるメディア」をコンセプトに、本サイトを運営。