「社会人にとって必要な力は何ですか?」
という問いに、「問題解決能力」や「問題発見能力」を上げるビジネス本は数多くあります。では、この2つの能力はどんな意味で、具体的にどう行動に移せば身につけることができるのでしょうか。
2つの能力を比較して考えてみます。

今日は「問題解決」と「問題発見」、2つの能力について解説していくで。
なんじゃそりゃ。


マナブは、この2つにどんな違いがあると思う?
そんなの、問題を見つけるか、解決するかの違いじゃないですか。何を言ってるんですか。


まあ、それはそうなんやけど。。
ほんなら、問題解決能力を鍛えるにはどうしたらいいと思う?
えー。なんでしょう。
問題解決は、解決するんでしょ。問題を。
だからですね、ええと、計算するんですよ。


ほう。
もう少し具体的に言うと?
具体的。。ぐ、具体的。。


じゃあ、例えばワシが
「ワシ、ファッションセンスないなぁ」
って悩んでたとしたら、どうする?
え。ツトム先輩、そんなことで悩んでるんですか。


例えばの話や!
どうすんねん。どうやって解決してくれんねん。
マネキンの真似すれば良いんじゃないですか。ユニクロの。


うーん、でも個性も欲しいねん。
じゃあ、色だけ真似して、あとは古着屋で買いましょう。


おおー。なるほどな!
色の組み合わせだけマネキンを参考にして、ブランドは別のん着るってことか。ええやんええやん。
でも、先輩歩いてたら、服に目がいかないっすよ。


なんや。褒めとんかいな。
Contents
問題解決能力とは
問題解決能力とは、「問題の原因を洗い出し、最善の手段で解決する能力」のことです。
この一文から、問題解決のプロセスは大きく2つに分けられることがわかります。
例として、迷子で泣いている子供で考えてみましょう。
その子供に「お腹が減っているのかな?」とお菓子を与えたところで、解決にはなりません。たとえ一時的に泣き止んだとしても、家族とはぐれたことを思い出し、また泣きだしてしまうでしょう。
まず大切なのは、「泣いている」という問題に対して、「なぜ泣いているのか?」という原因を正しく捉えることです。それが間違っていた場合、いくら解決方法を導き出したからといって、無意味になってしまうかもしれないからです。
「迷子で泣いている」という問題に対して、どうやって解決するか。
一緒に歩いて探す方が良いのか、それとも迷子センターに行って館内放送をしてもらう方が良いか。場所が小さなスーパーなら前者でOKかもしれませんが、大型ショッピングセンターであれば、歩いて探すのは非常に時間がかかります。
単純に「問題に対して解決する」というのではなく、最善の手段を導き出すというのが重要です。
時間やお金、人材やスキルなど、実際の現場は限られたリソースで取り組む必要があるため、その中で「最適解」を導き出すことが求められます。実行フェーズに移るまでが、問題解決の軸となるのです。
問題発見能力とは
問題発見能力とは「現状を把握・分析し、問題を見つけていく力」です。
このフェーズでは、「問題として存在してはいるんだけど、まだ顕在化されていない」状態であると言えます。なぜなら、問題をみんなが問題であると認識できているとすれば、それを発見することに価値などないからです。
先ほどの迷子の例で考えてみましょう。
迷子になった子供の母親が見つかったとして、問題は解決されたとしても、恐らく次の日にはまた新しい迷子の子供が出てくるはずです。つまり「迷子の子供が発生する」という根底の問題は、解決されていないということになります。
そこで「そもそも何で迷子になるのか?」という問いを立てて考えてみると、何気ない通路に、子供の目の高さに張られたチラシを見つけました。さらにその反対側の通路には、大人が食いつきそうなバーゲンセールのチラシ。もしかしたら、これにより大人と子供が離れ離れになり、迷子の状態が発生してしまっていたのかもしれない、という結論に至りました。
ここでは、今までは問題とされていなかった「チラシ」に対して、問題であると設定するということになります。
このように、問題を再定義することで、新たな問題が導き出されたり、問題の根底解決に辿り着くことができることが、問題発見の力です。
ふたつの違い
つまり、問題解決のフェーズでは、誰でも問題は同じ認識になるはずです。
決められたひとつの変数に対して、最適解を導き出す行為。それが問題解決のフェーズです。
一方、問題発見は、何が問題なのかということが決められていないため、問題を再定義することから始まります。不確かな変数に対して、多くの人が問題であると認識できる状態になる、それが問題発見のフェーズなのです。