「問題発見能力」と「問題解決能力」

経営・マーケティング

「社会人にとって必要な力は何ですか?」

という問いに、「問題解決能力」「問題発見能力」を上げるビジネス本は数多くあります。では、この2つの能力はどんな意味で、具体的にどう行動に移せば身につけることができるのでしょうか。

2つの能力を比較して考えてみます。

 


 

ツトム先輩
ツトム先輩

今日は「問題解決」と「問題発見」、2つの能力について解説していくで。

なんじゃそりゃ。

マナブ
マナブ
ツトム先輩
ツトム先輩

マナブは、この2つにどんな違いがあると思う?

そんなの、問題を見つけるか、解決するかの違いじゃないですか。何を言ってるんですか。

マナブ
マナブ
ツトム先輩
ツトム先輩

まあ、それはそうなんやけど。。
ほんなら、問題解決能力を鍛えるにはどうしたらいいと思う?

えー。なんでしょう。
問題解決は、解決するんでしょ。問題を。

だからですね、ええと、計算するんですよ。

マナブ
マナブ
ツトム先輩
ツトム先輩

ほう。
もう少し具体的に言うと?

具体的。。ぐ、具体的。。

マナブ
マナブ
ツトム先輩
ツトム先輩

じゃあ、例えばワシが
「ワシ、ファッションセンスないなぁ」
って悩んでたとしたら、どうする?

え。ツトム先輩、そんなことで悩んでるんですか。

マナブ
マナブ
ツトム先輩
ツトム先輩

例えばの話や!
どうすんねん。どうやって解決してくれんねん。

マネキンの真似すれば良いんじゃないですか。ユニクロの。

マナブ
マナブ
ツトム先輩
ツトム先輩

うーん、でも個性も欲しいねん。

じゃあ、色だけ真似して、あとは古着屋で買いましょう。

マナブ
マナブ
ツトム先輩
ツトム先輩

おおー。なるほどな!
色の組み合わせだけマネキンを参考にして、ブランドは別のん着るってことか。ええやんええやん。

でも、先輩歩いてたら、服に目がいかないっすよ。

マナブ
マナブ
ツトム先輩
ツトム先輩

なんや。褒めとんかいな。

問題解決能力とは

問題解決能力とは、「問題の原因を洗い出し、最善の手段で解決する能力」のことです。

この一文から、問題解決のプロセスは大きく2つに分けられることがわかります。

①問題の原因を正しく認識すること
②最善の手段を導き出すこと

 

 最初のステップは「問題の原因を正しく認識すること」です。


例として、迷子で泣いている子供で考えてみましょう。
その子供に「お腹が減っているのかな?」とお菓子を与えたところで、解決にはなりません。たとえ一時的に泣き止んだとしても、家族とはぐれたことを思い出し、また泣きだしてしまうでしょう。

まず大切なのは、「泣いている」という問題に対して、「なぜ泣いているのか?」という原因を正しく捉えることです。それが間違っていた場合、いくら解決方法を導き出したからといって、無意味になってしまうかもしれないからです。

 

そして、次のステップが最善の手段を導き出すことです。

 

「迷子で泣いている」という問題に対して、どうやって解決するか。
一緒に歩いて探す方が良いのか、それとも迷子センターに行って館内放送をしてもらう方が良いか。場所が小さなスーパーなら前者でOKかもしれませんが、大型ショッピングセンターであれば、歩いて探すのは非常に時間がかかります。

 

単純に「問題に対して解決する」というのではなく、最善の手段を導き出すというのが重要です。

時間やお金、人材やスキルなど、実際の現場は限られたリソースで取り組む必要があるため、その中で「最適解」を導き出すことが求められます。実行フェーズに移るまでが、問題解決の軸となるのです。

問題発見能力とは

問題発見能力とは現状を把握・分析し、問題を見つけていく力です。

このフェーズでは、「問題として存在してはいるんだけど、まだ顕在化されていない」状態であると言えます。なぜなら、問題をみんなが問題であると認識できているとすれば、それを発見することに価値などないからです。
 

 みんなが問題として認識できていないときに、「これって問題じゃないか?」と問いを立てること、それが問題を発見するということです。

 

先ほどの迷子の例で考えてみましょう。

迷子になった子供の母親が見つかったとして、問題は解決されたとしても、恐らく次の日にはまた新しい迷子の子供が出てくるはずです。つまり「迷子の子供が発生する」という根底の問題は、解決されていないということになります。


そこで「そもそも何で迷子になるのか?」という問いを立てて考えてみると、何気ない通路に、子供の目の高さに張られたチラシを見つけました。さらにその反対側の通路には、大人が食いつきそうなバーゲンセールのチラシ。もしかしたら、これにより大人と子供が離れ離れになり、迷子の状態が発生してしまっていたのかもしれない、という結論に至りました。

ここでは、今までは問題とされていなかった「チラシ」に対して、問題であると設定するということになります。

このように、問題を再定義することで、新たな問題が導き出されたり、問題の根底解決に辿り着くことができることが、問題発見の力です。

ふたつの違い

つまり、問題解決のフェーズでは、誰でも問題は同じ認識になるはずです。

決められたひとつの変数に対して、最適解を導き出す行為。それが問題解決のフェーズです。

一方、問題発見は、何が問題なのかということが決められていないため、問題を再定義することから始まります。不確かな変数に対して、多くの人が問題であると認識できる状態になる、それが問題発見のフェーズなのです。