社会人が身につけておくべき考え方〜不満と疑問が知性を作る〜

考え方

平成28年に行われた総務省の社会生活基本調査によると、社会人の平均勉強時間は6分/日という結果が出ています。ただしこれはあくまで「平均値」なので、おそらく1時間以上する人たちと、全くしない人たちで大きく分かれるでしょう。

勉強する動機も人それぞれ。

会社から提示された資格の勉強
副収入を得るための副業としての勉強
自分が興味を持った、知的好奇心からくる勉強

学校のように決められたカリキュラムがない分、勉強の項目は自由に決められます。しかし、自由に勉強をして良いと言われても、自由すぎるが故に何をすれば良いかわからないという人が多いのではないでしょうか。私がオススメする勉強法は「知的好奇心を持ち、その分野について勉強をする」という方法です。なぜこれがオススメなのかというと、興味があることなので挫折しづらいという理由からです。しかしここでひとつ問題があります。それが「知的好奇心はどこからくるのか」ということです。知的好奇心がないと、能動的に勉強しようという気になりません。

社会人の平均勉強時間が6分なのは、日々の生活で知的好奇心が刺激されるようなことが殆どないからでしょう。以下では、「どうすれば知的好奇心がわき、勉強したいという感情になるのか」ということを書いていきます。

この記事を読んだ人が「勉強したい!」となることをゴールとして書いていくので、ぜひ読んでみてください。

 

勉強をする意味

まず、そもそもとして「なんで勉強しないといけないのか」という根本について説明します。私たちが勉強をする欲求の根底にあるのは「幸せに生きたい」という非常にシンプルなものです。もし世界中が幸せで、もうこれ以上幸せになる必要がないと思っているのなら、勉強などする必要がありません。なぜなら、勉強をする目的がないからです。

元政治家の橋下さんが大阪都構想投票後の記者会見でこんなことを言っていました。「政治の投票率が低いということは、それだけ世の中が安定しているという見方もできる。投票率が上がるということは、それだけ世の中に不満を持っている人が増えているのかもしれないから、単純に投票率が上がったから、政治にみんなが関心を持ってくれて素晴らしいというのはどうかと思う。」

勉強をする意味は、今よりもっと幸せを手に入れられる可能性があるからです。

自分が、周りが、世の中がより幸せになっていくには、問題を解決するための知性が必要なのです。

不満と向き合う

世の中に不満がないなら勉強する必要がない。逆に言えば、不満があるということは、解決のために勉強をする必要があるということです。

今の世の中が良い方向になかなか進んでいかないのは、「世の中に不満を持っているのに勉強をしない人」があまりにも多いからだと私は思っています。最初は「不満と向き合うこと」から始めましょう。自分の今の現状に対して、不満に思っていること。

どんなことでも構いません。もしかすると、あなたが不満に思っていることはその他多数には不満と感じないことかもしれません。しかし、逆に「世界中であなただけが不満に思っている」こともないでしょう。あなたが不満に思ったということは、あなた以外にも同じように感じている人がいるということ。

不満は才能です。その問題を解決することができるのは、不満と感じている人だけだからです。

疑問と向き合う

もう1つは、疑問に感じることを見つけるということです。これも、意識してみるとなかなか面白いと思います。例えば、家の中を見渡して「なんで電気は白と黄色があるんだろう?」と思ったら、そのことについて調べてみる。すると「ブルーライトはなんであるんだろう?」と、疑問が派生していく。疑問は、知的好奇心をくすぐる最もたる要素です。ジャーナリストとして活動する池上彰さんが「健全な懐疑心を持ちましょう」というフレーズをよく口にしています。与えられた情報をそのまま鵜呑みにするのではなく、一旦疑ってみる。「本当だろうか?」と。疑問に感じるから、真実を確かめたくなる。それこそ、勉強へと私たちを向かわせてくれるのです。

世の中に対する疑問

では、ここで皆さんがより勉強をしたくなるために、いくつかの問題を掲示します。

1つは「経済」についてです。私たちは、今当たり前のようにお金とあらゆるものを交換しています。この、お金(資本)が中心に世の中が回っている仕組みを「資本主義経済」と言います。では、資本主義経済とは具体的にどのようなものなのでしょうか?

辞書にはこのように書かれています。

資本家が労働者を雇い、商品やサービスを第三者へ提供することで、利潤追求を行う仕組み。

つまり、資本主義では「資本家」と「労働者」という2つの立場に人が分かれるということ。
そして、利潤を追求し続けることが資本家の役目であるということです。

なぜ資本主義経済が世の中に浸透したかというと、それが世の中をよくしてくれる仕組みであるとみんなが思ったからです。

「自由競争をすれば、良い商品、サービスだけが残るようになる。すると、それらが価格競争を始め、より良い製品、サービスが低コストで世の中に行き渡り、より良い世の中になる」

これが資本主義の大前提です。

確かに、より良い商品、サービスが一般の人たちに行き渡る価格で提供される世の中になったと思います。しかし、そのことによって「幸せになったか」というと、そうとは言えないでしょう。なぜなら、経済の発展と比例して幸福度が上昇していないからです。

本当に、今の世の中の仕組みが「ベスト」なのでしょうか。
今を幸せに感じている人が少ないのなら「ベター」ではあっても「ベスト」ではないのかなと思います。

世の中は先人の知恵によって築き上げられてきた社会ではありますが、完璧とは程遠い世界です。
日本だって、ほんの数十年前まで戦争をしていた国であることを忘れてはいけません。

完ぺきではないからこそ、どんな小さなことでも構わないので、疑問を持って、解決に向けて勉強してみる。

そうやって知性を身につけ行動することが、社会人としてあるべき姿なのではないかと私は思います。

もし一人ではなかなか勉強が続かないという人は、世の中にはたくさんの社会人コミュニティがあります。ぜひ活用して見てください。