madocafe ~くらしに溶け込むたのしみを~

”くらしに溶け込むたのしみを”

誰もが毎日欠かさず費やす時間。
その一つが “食事” です。

「とにかく時短で」
「出来るだけ安く」
「どうせだったら誰かと楽しく」

  “食事” という時間ひとつを切りとってみても、様々な価値観があるでしょう。食事の目的は、「健康」と「楽しみ」に大別されるかと思います。どちらも大事な食の要素。どうせだったら両方満たされる食事をしていきたいものです。

今回取材させていただいたのは、料理を通じて心も身体も満たす場を提供する「madocafe」主催のまどかさんです!

 

料理 × カフェ × 心身の健康

まどかさんの料理好きは、いつ頃から?

もともと、料理は色んな趣味がある中のひとつでした。
料理に初めて興味を持ったのは小学生のころです。母が作ったクッキーの型抜きをしたり、一緒にパンを焼いたり、ものごころがついたころから料理は身近なものでした。モノづくりが昔から好きだったので、その感覚で料理も楽しいって思えたんだと思います。
また、自分で作った料理を親が喜んでくれたことが嬉しくて、もっと喜んでもらおうと親に料理を作ったり、学校の友達にお菓子を作ったりするようになりました。

そのころの体験が原点なんですね。

はい。学生のころはスタバで4年間バイトをしていて、その時も手ごねのパンやお菓子を作っては、「よければどうぞ」と書いてスタッフルームに置いていました。「今月のお店のコーヒーには何が合うだろう?」と考える時間や、喜んでくれることが楽しくて、みんなにふるまっていました。

 

飲食の仕事に就こうとは思わなかったんでしょうか。

そのままスタバの仕事をすることも考えていました。ただ、四年制の大学に行って飲食の仕事に就くことがなんとなく勿体無いっていう偏見があって、事務の仕事に就職しました。事務職にした理由も特になくて、たまたま人事の方と話が合い、「この方たちと一緒に働けるなら」という思いで就職した、という経緯です。

 

その時は、趣味で料理を?

最初は自分のお弁当を作るだけでしたが、ある日「いつもどんな風にコーヒーを飲んでるの?」と上司に尋ねられ、「家では豆を挽いてハンドドリップしています。これがおいしくて…」と熱弁したところ、次の日に上司がコーヒー器具一式を会社に用意してくれまして。(笑) 「せっかく器具があるなら」と毎日お昼休みに豆を挽いて部署のみんなに食後のコーヒーを提供するようになりました。そこからだんだん噂が広まり、会社全体にコーヒーと手作りお菓子をふるまうイベントも開催するようになりました。

すごい。。ボランティアでですか?

はい。完全にボランティアです。(笑)  
そこはギャップを感じていた部分です。

お金をもらっているのは人事の仕事。そこでは与えられた目標をこなす、という感覚なのに、料理に関しては「何を作ったらみんな喜んでくれるだろう?」と、熱の入り方が違う。

料理を仕事にできたらどれだけ良いだろう。

これを仕事にしたい。

だんだんその思いが強くなっていきました。

 

改めて料理の想いに気づいたんですね。

はい。別の仕事に就いたことで、改めて自分は料理が好きなんだということに気づきました。ただ、それを仕事としてやっていくイメージは全くできていませんでした。

 

飲食で働くのとはまた違ったんでしょうか。

1年ほど前、ある方から「まどぅは、ただ料理を出す人になりたいの?」と言われたことがあります。その時私は、そういう訳ではないという感覚はありました。

あなたが作ったものだから」と言ってもらえるような、そんな関係を作りたい。

だからこそ、コンテンツがなくても人の想いに応えられる自分になろうと、一旦料理やその他の趣味を横に置いた時期もあります。ただ、料理をしなくなると、生活に色々支障が出るようになりました。体調面でもメンタル面でも、料理は自分に欠かせないものだったんです。

ある時、美容室で隣のおじさんが朝にランニングをしているという話をしていました。
「夜だと急に上司に誘われたとか、残業が必要になったとか、いろんな言い訳ができるじゃないですか。ただ、朝は言い訳ができないから。自分が起きさえすれば時間が作れる朝にやりたいことをするようにしているんです。」

その言葉に強く共感しました。
「夜できないのなら朝やればいい」
そう思い、朝に料理をするようになりました。

朝ごはんの習慣はそこからきているんですね。

私は、もともと朝が大好きでした。

土日こそ早起きして、好きなことをしたいタイプで。ただ、社会人になるとだんだん夜型になっていきました。友人と仕事終わりにご飯に行くことも多かったので、夜ご飯を作る機会も減っていました。好きだと言っている料理にさえ時間が作れていない自分に嫌気がさしていたころ「毎日、朝に料理をしよう」と決め、約束を破らないようにインスタに投稿するようにしました。

なので、私にとってインスタは「自分との約束の場」でもあるんです。

正直言うと、夜型のまま実行した朝ごはんの習慣はめちゃくちゃきつかったです。インスタでは優雅な朝を送っているように見えるかもしれませんが、中身はガタガタでした。(笑) バタバタしながら、なんとか投稿をするという毎日。インスタに投稿すると、誰かが見ています。誰かが見ていると思うと、簡単にサボれないじゃないですか。自分でやる、と言ったことならなおさら。サボれない仕組みを作ることで、朝ごはんの投稿が日課になっていきました。

ある時、投稿を見た友達から「まどぅのごはんって、どこで食べられるの?」と言われました。人に振る舞ってはいなかったのですが、「食べたいと思ってくれている人がいるなら」と思い、朝ごはん会をするようになりました。

そこから、朝ごはん会が始まったんですね。

色んな人が口伝えで広めてくれることで、毎週誰かが足を運んでくれるようになりました。求めてくれる人がいることは本当に嬉しいことです。ただ、平日は普通に働きながら毎週土日に開催していたのでやることでいっぱいいっぱいになり「明日のご飯どうしよう」と、前日にバタバタすることも多くなりました。

土日に朝ごはん会を開催するようになり、46回目を迎えた頃のことです。

朝ごはんかいに参加してくれた友人が「あの時の朝ごはん会、本当に楽しかったよ!」と、その時のことを嬉しそうに話してくれました。その話を聞きながら私は、その朝ごはん会には他に誰がいて、何を料理を作り、どんな話をしたのか、すぐに思い出せない自分にショックを受けました。

友人にとっては、それが初めての朝ごはん会。でも、私にとってはただの46分の1という感覚になっていたんだということに気づき「1対1の関係をもっと大切にしよう」と強く決めました。

正直、昨日と今日で同じ料理を作ったとしても誰も気がつかないと思います。別の人が足を運んでくれているから。でも、どれだけ褒められても、手を抜くと自分にはわかります

自分に嘘はつかない
来てくれる1人1人を大切に

その思いを忘れずに、料理を通じて心も身体も満たされる、そういう空間を作りたいと思います。

最後に、今後のことをお聞きしてもよろしいでしょうか。

今、大井町にカフェをオープンするために動いています。

ご縁があって、そういう話をいただきました。正直唐突すぎて全然準備もできていなかったのですが、「じゃあ、準備っていつできるんだろう?」と思った時、一歩踏み出してみないといつまでたっても動かないなと思い、やる決意をしました。

もうひとつ、一人じゃないと思える仲間がいたことも大きいです。大好きな『ゆっくり、いそげ』という本に書いてある「特定多数」に応えられるカフェを目指して、たくさんの人に喜ばれる空間を作っていきたいと思っています。

「目の前の人に喜んでもらうために、自分に何ができるか?」
私が頑張る理由はそれだけで、応えたい人に応えるための一つの手札が、私にとっては料理でした。だからこそ、24時間×365日、自分の裁量で動ける状態をつくって、よりたくさんの大事な人に喜ばれる自分でありたいです。

 


今年、カフェを開くというまどかさん。料理を通じて「人の笑顔をつくる幸せ」を体感しているまどかさんだからこそ、自分の強みを活かして大きな一歩を踏み出せたんだと思います。また、まどかさんがこれまで「どんな風に人と接してきたのか」を知ると、たくさんの支えがあることも納得できると思います。自分も「あなたがつくったものだから」そう言ってもらえるような、人の喜ぶ姿を想像しながら仕事をしていきたいと思いました!


 

Instagram:「madocafe」
https://www.instagram.com/madocafe/?hl=ja


〜Pick up Books〜


美 食 姿「したたかに」「自分らしく」過ごすコツ。/高山都

生き方そのものが周りの人の希望やエネルギーになるような自分でありたい、と思うようになったきっかけの本です。ご本人にお会いしたり、本を読み返したりする度にエネルギーをもらっています。

ゆっくり、いそげ 〜カフェからはじめる人を手段化しない経済 〜/影山知明

カフェは”不特定多数”に応えるものだと思っていたけれど、「特定多数」という概念があると知った大事な本です。


〜Pick up Music〜


ネズミの進化 / スピッツ

スピッツはファンクラブに入っているほど好きなんですが、中でもこの曲は、夢に向かって動いているときや落ち込んだときに何度も助けられている大事な曲です。

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