【ホメオスタシス】習慣を身につけるには?~変化を妨げる恒常性維持機能~

心理・脳科学

なあマナブ。
「ホメオスタシス」って知っとるか?

あ、はい。
わかんないです。

これはな、人体に備わる素晴らしくもどかしい機能なんやで。

へぇ~。
大変そうですなぁ。

なんで他人事やねん!
マナブにも備わっとんねん。

え、僕にもですか。
何も聞いてないですよ。

もれなく人類みんなに備わっとんねん。
自分の身体のことは知っとかんと、損するで。

聞いてないのになぁ。

ホメオスタシスとは

ホメオスタシス(恒常性維持機能)
一定の状態を維持しようとする機能。

状態を維持するということは、つまり変化を妨げるということ。

なぜそのような機能が備わっているのか。
それは、生存に必要な要素だからだ。

ホメオスタシスによる身体維持活動は以下のようなものがある。

  • 走ると呼吸が乱れて酸素の状態を維持しようとする
  • 寒いと体を震わせて体温を保とうとする
  • 怪我をすると傷口が塞がる

 

もし走ったとき、息が乱れなかったらどうなるだろう?
恐らく、酸素不足により生命危機に陥ってしまう。

寒いとき、身体が震えなかったら?
擦りむいた傷口がふさがらなかったらどうだろう?

そう、私たちは、日々の営みの中で元の状態に戻そうという働きが必要であることがわかる。

そしてこの機能は、体だけではなく心理でも発生する。

 

コンフォートゾーン(快適な領域)

ほとんどの人は、生活の中に身につけたい習慣、やめたい習慣があるはず。
しかし、頭では分かっていてもいざ行動に移そうとするとなかなか身につかないのが現状。

それはあなたの意識が低いどうこうの問題以前に、ホメオスタシスによって現状維持をしようという心理が働いているからだと考えられる。

自分が快適だと感じる心理領域を「コンフォートゾーン」と言う。

以下のような習慣を身につけようと実践しても、なかなか習慣化できない。

  • 今まで8時に起きていたのを、6時にする
  • 毎朝ランニングをする
  • 毎週1冊本を読む

私たちが無意識に行っている習慣は、自分が快適だと感じる領域と考えることができる。
とくに意識しなくても6時に目覚める人は、それがあなたの快適領域となっているからだ。

では、8時が快適領域である人は、6時に起きる習慣を身につけることは難しいだろうか?

一言で言うと、難しい。
難しいが、6時に起きるために毎日闘う必要があるわけかというと、そういうではない。

では、どうすれば6時に起きる習慣を身につけることができるのだろうか?

コンフォートゾーンのアップデート

新しい習慣を身につけるには、「コンフォートゾーン」を書き換えること

例えば「歯を磨く」「風呂に入る」ということを毎日行っている人は
「めんどくさい。。今日はやめようかな。。」
と毎回闘っているわけではない。

ほとんどの場合考えることもなく行えているはず。
それは「やらない方が気持ち悪い」というくらいに習慣化されているからだ。

もし汗をかいてそのままでいることが通常状態なら、気持ち悪いという感覚もなくなるはずですが、私たちは「1日の終わりに身体を洗う、歯を磨く」ことを当たり前のように行っているため、習慣として行えている。

つまり、コンフォートゾーンが書き換わるまでやり続ければ、あとは習慣的にできるようになる
自転車をこぐときに最初だけ辛いように、習慣を身につける最初だけ踏ん張れば、あとは身体が変化に対応してくれるはずだ。

期間が分かるだけで、気持ちも楽になるのではないだろうか。

まとめ

  • 人には「ホメオスタシス(恒常性維持機能)」というものが存在し、現状維持をしようとする
  • 「元の状態(快適領域)」の基準をあげることが、習慣化である。だからこそ、快適領域をアップデートすることが大切
  • 最初の「元の状態」に戻そうとする身体との闘いは辛い。アップデートするまでやり続ける「継続性」が生きやすさのカギ

 

臨床心理学者マクスウェル・マルツ博士の著書「Psycho Cybernetics」から広まった「習慣が身につくには21日間必要だ(インキュベートの法則)」という説、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)で行われた調査の「習慣と呼べるほど行動が自動化されるのに、被験者の平均が66日だった」という実験結果から、習慣化するまでには個人差があると考えた方が良いだろう。

習慣が身につくまで、3か月は頑張ってみる。
意識としてはそれくらいの感覚でいるのが良いのではないだろうか。